加計学園の開学認可について

2017年11月14日にも、懸案の加計学園設置正式認可が行なわれるようです。設置審議会では、いわゆる石波4条件に抵触するとして、疑問を挟む委員が多かったそうですが、決まったことだからと、文科省は取り合わなかったそうです。

一方、教育効果が疑問視され、高齢教員が多いことから、十分な教育効果が得られるのか、疑問視されます。定員を当初の160名から140名に、教員を補充することで、教育効果を高める修正案が出されたそうですが、20名を韓国からの入学でまかない、しかも通常行われる日本語等の事前教育も出来ないでしょうから、初年度は惨憺たる定員確保になることは間違いないでしょう。

14日からの衆院文教科学委員会、参院でも審議され、希望、立憲民主など野党からの集中砲火が予想されます。筆者は度々指摘したのですが、この加計学園岡山理科大学獣医学部設置問題は、国家戦略特区とは聞こえのいい話ですが、加計学園については、既存の千葉科学技術大学も含めて、自治体からの資金・土地援助に群がり、既存学部学科の赤字解消を進めようという、経営破たんの自転車操業での先延ばしに、規制緩和という美名に隠れて行ってきたことに、根本的な問題があるということです。

平成30年4月開学に強引に持っていったのは、経常経費補助等が入らなければ経営破たんにつながるからだという見方もあるほどです。自治体への経営委譲または土地の無償譲渡(貸与)という自治体協力方式は、長期的ビジョンを欠き、将来負の遺産として地域に重くのしかかってくることは目に見えています。

幸いなことに(?)、今治市にとっては、学部が経営破たんした場合、建物を撤去して土地を市へ返却することになっています。初年度の入学生が卒業する平成36年以降、定員割れ等でこの懸念は現実のものになるのでしょう。留学生に依存する割合が増えれば、石破四条件はますます空洞化し、厳しい検証を求められることにもなるでしょう。

獣医学部とて、最先端のライフサイエンス研究とは言っていますが、2018年問題の先に学生募集難という厳しい現実問題があるのです。設置認可する側が、認可するだけしておいて、「後は野となれ山となれ」ではあまりにも無責任ではありませんか。(2017.11.13)

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